
1961年製ラディックのカーフスキンヘッドを無事入手。
18インチのバスドラ用カーフスキンヘッドは、実は非常にレア。
なぜかと言うと、カーフスキン時代はビッグバンド全盛時代。
当然、サイズはデカい。18のバスドラの人など、ほとんどいないし、カタログにもないほど。
小口径のバスドラが流行したのは、20年近く続いたビッグバンドが飽きられてきて、その巨体を維持できなくなり、それに伴いビバップなどのコンボスタイルが登場してきた50年代以降だ。
それでも、ビバップ初期は、24や26が主流だったところから22インチくらいに下がっただけだったが、50年代も後半になってくると、トニー・ウィリアムズやエルヴィン・ジョーンズといった新しい感覚の若手ドラマーが台頭してきて、彼らは好んで18インチのバスドラムを使ったため、小口径が流行した。
そもそも18インチのバスドラというのは、当時のNYのキャブのトランクサイズに合わせたサイズで、単純に運搬の事情という説が有力だ。その証拠に、現在のNYのキャブのトランクは小さくなったので、主流は16インチらしい。w
ここから何がわかるかと言うと、ジャズミュージシャンが稼げなくなったのは、この頃ってことだ。ツアーバスが維持できなくなったってことだから。
そう考えるとずいぶんと伝統ある稼げない商売ということになる。そして、それは今も受け継がれるジャズの伝統とも言える。(笑)
それに加え、1955年頃、REMO社とEVANS社がプラスチックヘッドを開発した。
これによりドラマーの多くは取り扱いが楽で破れないプラスチックヘッドにスイッチした。
要するにカーフスキンは廃れてきたってわけだ。
一般的には、爆発的にプラスチックヘッドにスイッチしたかのように語られているが、たぶん、それは間違いだ。なぜなら、カーフスキンヘッドは、1960年代前半までカタログに載っているし、どちらも選べるようになっているからだ。おそらく移行は思ったより緩やかなものだったと思う。
しかし、1960年当時、流行の18インチバスドラを購入する人でカーフスキンヘッドをチョイスする人はなかなかなかったと思う。そして戦前等の古い時代のものは、ほとんどがフロアタム用しかない。
そう考えると、やはり18インチのバスドラ用カーフスキンヘッドというのは、非常にレアだと言えるし、実際、滅多にお目にかかれない。
今回は運良く、一気に2枚ゲットできた。
これでCharleston nanoは完成だ。
小さい口径のバスドラほどカーフスキンが不可欠だと思っていたので非常に嬉しい。
あとは切削職人様にお願いしているパーツが仕上がればnanoの完成だ。いや〜長かった。
さらに先ほど、遅れに遅れていたJIMから22インチと24インチのカーフスキンヘッドも到着した。2ヶ月かかった・・・。やはり保険を適用するぞ!が相当効いたようだ。アメリカ人って単純でカワイイな〜。w
そして次は、1910年Barry製のアルミスネアの再生に取りかかる。
コイツは、ホントに厄介だ。なぜなら、サイズが微妙にデカい・・・。14.5インチくらい。
これはドラムにとって結構、致命的。ヘッドもフープも市販のものは全て合わない・・・。
さらにラグも全て破損していて、一つも残っていないという・・・。
結構、いろんな人に頼んでみたが、みなさんギブアップだったので、自力で何とかするしかない。
まず、ヘッド。これは、カスタムで作ってもらった。
ドイツ人のトリクソンコレクターに相談する。
なんせ、彼は変形バスドラムで有名なトリクソンのコレクターだ。
それこそヘッドもフープも自力で制作しないといけない。
●たれパンダドラム

●レプリカを制作してしまうジャーマンオタク

いや〜すごいオタクぶり。(笑)
もちろん、これ用のヘッドも彼は制作してしまっている。
なので、ちょっと大きめくらいは朝飯前だ。
普通のヘッドの2倍くらいの価格でカスタム制作してくれた。
そして問題のフープ。
これはジャーマンオタクも無理な領域。なぜなら、金属のプレスだから。
彼はウッドに関しては、何でもできてしまうが、金属加工はやってない。
しかし、ここでノウハウが生きる。
ヴィンテージソナーのフープは、フチが広く、1インチくらい大きくても入る。(笑)
ドイツから届いたヘッドをヴィンテージソナーのフープに当ててみる。イケるじゃん!
フープは、ヴィンテージソナーに確定。
そもそも、そんなものを上下セットでストックしてる自分も自分だとは思う。w
あとはラグだ。
これは、まぁ好きなものを付ければいいわけだが、デザインバランスってもんがある。
普通にチューブラグでもいいんだが、それは、この前やったので違うのにしたい。
ここは10個揃っているWFLのゼファーラグを付けてみようかと。(8ラグだけど)
ゼファーラグは、アールヌーボー調のラグだが、非常にデカい。というか長い。
長いので、6.5インチ以下のものには付けられない。
Barryは、6インチだが、元々付いていたチューブラグの長さが妙に長く、100ミリある。
ピッタリではないが、なんとか付けられる感じ。
ところで、誰も知らないと思うけど、うちのゼファーラグにはガスケットがない。
中に何かボルト的なものがないとスカスカだ。
でも、このラグの内部は非常に狭く、そもそも、どういう構造になってるのかを知りたい。
あ〜疲れた。
そして、軽く告知。
来週の木曜はBlueSwing上野。上野モデル炸裂。
ここまで読んだヲタクの人は上野モデルを気に入ってくれると思う。
コメント
濃い。。。。。濃すぎる(笑)。
しかしドイツヲタクも凄いなあ。。。。。
世界は広いです。
と、思っていたら最近地元でこんな濃い人と知り合いまして。
http://pub.ne.jp/smiley/
この方、スネアだけでは飽き足らず、stave胴(ブロック形式の桶胴)でドラムセットを製作中です。凄い。
Posted by Aきやま@山猫軒 at 2008.08.29 17:56 | edit
まぁ世界にはアホなオタクがいますな。w
ドイツのヤツは、まぁカスタムショップなんで、完全にプロなんですけどね。
僕も、そいつに一台作ってもらったんですが、ウォルナット単板でシェル厚が2ミリ! もうペコペコ。w
でも、これが音がいいんですよねぇ。
ヤツはヴィンテージドラムも異様に詳しいので、かなり構造わかってます。
しかしブロック工法で自作て・・・。(笑)
でも、単板とかをスチームベントするよりは設備がいらないから、この工法はDIY向きですね〜。手間はかかるけど・・・。
でも、ボカァ無理。無理だなぁ。
たぶん、木をカットした時点で十年は寝かせてしまうはず。w
しかし不思議なもので、僕はイチからの自作ドラムには全く興味が湧かないんですよね〜。なんでかな〜。
やっぱり歴史というか、時間経過が欲しいんでしょうね。背景とセットで楽しいタイプなのかも。
例えば、1920年代の映画や音楽、エンターティメントからファッション、建築、デザイン・・・これらの写真や資料とセットで、その年代の楽器を眺めてパーツを選ぶのが楽しい。
まぁ、引きこもりになりますけどね。(笑)
Posted by ドッチーd3 at 2008.08.29 18:17 | edit